英会話の教材と関連商品
英会話をクーリング・オフしたら、教材も一緒に返せる?——本や音声・映像を記録した物は、政令の「関連商品」に入る
英会話の契約をクーリング・オフするとき、一緒に買った本や音声の教材まで返せるのか、気になっていませんか。
特定商取引法は、授業の契約を解除したとき、政令が決めた「関連商品」の契約も同じように解除できるとしています。英会話で政令が挙げているのは、書籍、音や映像を記録した物、ファクシミリ装置とテレビ電話装置です。
手元の教材が関連商品に入るか、使った教材も返せるか、送り返す費用は誰が持つかを、条文の順にたどれます。
・書籍と、音や映像を記録した物は、関連商品に入る
・英会話の関連商品は、使うと返せなくなる品の一覧に入っていない
・送り返す費用は、売った側が持つ
英会話の教材は「関連商品」に入る?
書籍と、音や映像を記録した物は入ります。特定商取引法施行令の第29条第1項は、関連商品の中身を表に預けています。
法第四十八条第二項本文の政令で定める関連商品は、別表第五に掲げる商品とする。
別表第五の第三号が、英会話を含む「語学の教授」の関連商品を挙げています。別表第四の三の項が「語学の教授」で、第三号はその三の項から五の項までをまとめて扱っています。
第三号に並ぶのは、書籍と、次の物と、ファクシミリ装置及びテレビ電話装置の3つです。
電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法により音、影像又はプログラムを記録した物
| 政令の書き方 | 平たく言うと | 根拠 |
|---|---|---|
| 書籍 | 本 | 施行令 別表第五 第三号イ |
| 音、影像又はプログラムを記録した物 | 音声・映像・プログラムを記録した物 | 同 第三号ロ |
| ファクシミリ装置及びテレビ電話装置 | ファクシミリとテレビ電話の装置 | 同 第三号ハ |
別表第四の三の項は、「語学の教授」から、入学試験に備えるための教授と、学校の補習のための教授を外しています。受験や補習のための教室は、同じ表の四の項と五の項で扱われます。
授業の契約をクーリング・オフで解除すると、関連商品の契約にも同じ扱いが及ぶ、というのが特定商取引法の第48条第2項の組み立てです。条文は長いので、ここでは中身だけを書きます。
授業とは別に教材の契約書を交わしている場合も、その教材が上の表に入っていれば、同じく解除の対象になります。
手元の教材が、本なのか、音声を記録した物なのか、機器なのかを分けておくと、通知に書く中身がはっきりします。
表に入らない品を一緒に買っていたときは、この条の対象から外れます。その品をどう扱うかは、この記事では読んでいません。
教材を買った相手が授業の事業者と別の会社のこともあります。第48条第2項は、事業者が関連商品の販売やその代理・媒介をしている場合を対象にしています。
使ってしまった教材も、返せる?
英会話の関連商品は、使うと返せなくなる品の一覧に入っていません。特定商取引法の第48条第2項の但し書きは、使ったり消費したりすると値打ちが大きく下がる品として政令が決めたものを、解除の対象から外しています。その品を決めているのが、施行令の第29条第2項です。
法第四十八条第二項ただし書の政令で定める関連商品は、別表第五第一号イ及びロ並びに第二号に掲げる関連商品とする。
別表第五の第一号は、皮膚を美しくしたり体型を整えたりする施術の関連商品です。第二号は、美容を目的とする医学的処置の関連商品で、どちらにも食べる加工品や化粧品などが並んでいます。英会話を扱う第三号は、ここに挙がっていません。
送り返す費用や違約金は、誰が持つ?
どちらも、売った側です。違約金を求められないことは、特定商取引法の第48条第4項にあります。
第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合においては、役務提供事業者若しくは販売業者又は関連商品の販売を行つた者は、当該解除に伴う損害賠償若しくは違約金の支払を請求することができない。
教材がもう手元に届いているときの送料は、第5項が決めています。
第一項の規定による特定権利販売契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合において、その特定権利販売契約又は関連商品販売契約に係る権利の移転又は関連商品の引渡しが既にされているときは、その返還又は引取りに要する費用は、販売業者又は関連商品の販売を行つた者の負担とする。
解除の通知を出す前に、手元で確かめること
- 教材の契約書が、授業の契約書と別になっているか
- 教材が、本・記録した物・ファクシミリやテレビ電話の装置のどれに当たるか
- 授業の契約の書面を受け取ってから、8日以内か
- 教材を売った相手が、授業の事業者か、別の会社か
- 送り返す費用を、こちら持ちと言われていないか
いまの状況から選ぶ、次の一歩
- 書面を受け取って8日以内で、授業も教材もやめたい:通知の出し方の記事を読み、教材の契約も一緒に書く
- 8日を過ぎて、途中でやめたい:中途解約の上限の記事を読む
- 教材が上の表に入らない品だった:この記事の範囲の外です。消費生活センターで相談する
この記事で扱っていないこと
- 途中でやめるときの教材の扱い:中途解約を定めた第49条のうち、関連商品の部分はこの記事では読んでいません
- どの教材や教室を選ぶか:このサイトでは、推奨はしません
よくある質問
アプリで受けるレッスンの教材も入る?
この記事で読んだ政令の文に、アプリという語は出てきません。別表第五の第三号ロは、音や映像、プログラムを記録した「物」と書いています。
教材を開封してしまったら、もう返せない?
英会話の関連商品は、使うと返せなくなる品の一覧に入っていません。その一覧は、施行令の第29条第2項が、別表第五の第一号イ・ロと第二号に限っています。
出典
- 特定商取引に関する法律施行令 第29条・別表第四・別表第五(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/351CO0000000295
- 特定商取引に関する法律 第48条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057
上の出典を引いて確かめた日: